妻と別れたくないし離れたくない！【妻に離婚を考え直させる重要ポイント】

ある日、妻から「離婚したい」との申し出があった。突如に勃発した妻からの離婚請求で、頭のなかはグチャクチャ。

確かに最近の夫婦仲は良好ではなかったが、離婚はまったく考えていなかった。幼い2人の子どものこともあるし、自分は妻とは別れたくない！

このように妻から突然に離婚請求された方の多くは、強く困惑されているでしょう。

ここでは妻からの離婚請求に対する回避方法と関係修復の方法を主に解説。この記事を見れば、妻の心を取り戻せる可能性が高まります。

間違った行動をとって離婚を確定させないためにも、必ず押さえるべき内容です。

妻が離婚を考える主な4つの原因

妻が離婚を考える原因は様々ですが、主な内容は次の通りです。

個別に内容をお伝えします。

コミュニケーション不足

夫婦間のコミュニケーションが不足していると、お互いの気持ちや考えを理解し合うことができず、相手との距離が離れてしまいます。

コミュニケーション不足が続くと、お互いに不満やストレスがたまり、結果として離婚を考える原因になる場合があります。

価値観の違いの違い（性格の不一致）

夫婦の間で、価値観が合わないことがよくあります。例えば、子育てや家計管理、仕事や趣味の優先順位などです。

夫と意見が合わないことでストレスや不満を引き起こし、離婚を考える原因になることがあります。

不満やストレスの蓄積

日々の生活のなかで些細な出来事からストレスを感じ、不満をため込むことがあります。しかし、負の感情が長期間にわたって溜まり続けると、大きな問題に発展する場合があります。

特に、夫とのコミュニケーションができていない場合は、ストレスや不満が解消されず、妻が離婚を考える原因になるでしょう。

夫の浮気

夫の浮気は夫婦関係を壊す大きな原因の一つです。浮気をされた妻は、裏切られたと強く感じ、夫を許せない場合が多々あります。

浮気の発覚で、夫婦関係が修復不能なほど破綻し、離婚する流れは後を絶ちません。

※ 浮気が原因で離婚危機である場合の対処法は「【妻に浮気を許してもらうには】許しを得るための行動と4つのポイント」で取り上げています

妻の離婚への本気度には段階がある

妻から「離婚したい」と申し出がされても、それは何時も夫に対して「絶対的NO」を突き付けているとは限りません。

実は、妻の離婚の本気度は次のように5つの段階に分かれます。

このように離婚の本気度には段階があり、すべてが離婚への強い決意をしている訳ではないです。

妻の性格や状況にもよりますが、自身の落ち度を認めるだけでも、離婚を回避できるケースもあります。

諦めれば修復の可能性はゼロ

妻の離婚の本気度の段階が高い場合、夫に「離婚は仕方がない」と思わすため、妻は次のような暴言を迷わず吐きます。

暴言を吐かれると頭にくるでしょうが、ここで暴力や暴言で返すことは厳禁です。

妻の離婚したい気持ちはさらに高まるし、このことをきっかけにDV防止法に基づく「保護命令」の申し立てをされる可能性もあります。

妻からの暴言を言われ続けると精神的に本当に疲れます。ですが、ここで「もうダメだ」と諦めたら、夫婦の修復は100％不可能になります。結果、離婚に行き着くことだけは確実です。

※ 妻の離婚への本気度に関しては「【離婚を決意した妻の行動と心理】本気の決意の妻と修復する方法を解説」でも詳しく取り上げています。

妻に離婚を強行されないための対策

こちらが断固として「妻と離婚したくない」と拒否し続けても、妻が強行をする恐れがあります。強行とは、離婚届の夫の欄を妻が勝手に記入し、一方的に役所に出してしまうことです。

妻が夫に無断で提出した離婚届は無効ですが、無効にする手続きは簡単ではありません。裁判所での手続きが必要となり、数多くの手間や時間、多額の費用が掛かります。

不受理申出をしておく

妻がこちらに無断で離婚の強行しないために、予め防止策をしておきましょう。

離婚届の不受理申出とは、大まかにいえば「役所は離婚届を受理しないでください」といったお願いの書類です。この届出をしておけば、妻が夫に無断で離婚届を提出しても、役所は受理することはありません。

不受理申出の書類を提出するのに、費用は掛かりませんし理由も不要です。

裁判にすれば離婚は決定的！？

妻の離婚の本気度が非常に高い場合において、こちらが離婚を拒否し通すと、やがて妻は次のようなことを言ってくる可能性があります。

通常、多くの方は法律なんてわからないので、このようなことを言われると心配になるかと思います。そこで裁判所が離婚判決を出す要件を確認しておきましょう。

妻の離婚請求が裁判官に認められるためには、次のような原因のどれかが必要です。

これらの5つ原因を「法定離婚事由」と言います。それでは簡単に各原因について簡単に説明していきます。

５つの法定離婚事由の内容

不貞行為

「不貞行為」とは、配偶者が別の異性と性的関係を持つことです。プラトニックな関係は不貞行為とはなりません。

悪意の遺棄

悪意の遺棄」とは、夫婦関係が破綻することを知っていながら、夫婦の協力義務を怠ることです。

3年以上の生死不明

「3年以上の生死不明」とは、相手の生存が最後に確認できた日より、3年以上を経過しても生存が確認できない状況をいいます。

婚姻を継続しがたい重大な事由

婚姻を継続しがたい重大な事由」とは、次のような状況に当てはまることです。

離婚判決を出さないこともある

夫に法定離婚事由に該当する事実が認められても、裁判所が次の判断をしたときは、離婚の判決を下さない場合もあります。

「一切の事情を考慮し婚姻を継続させた方が相当である」

つまり一度だけの不貞や暴力などはあったが、夫がその過ちを心から反省しているなら、離婚判決を出さない可能性も十分あります。

このことを考慮すると、裁判所が離婚判決を出すのは限定的であることがわかります。

妻の反発を買うだけです。自身が離婚事由に該当しないとわかれば、あとはそのことを妻に伝える必要はありません。

よくある間違った妻への対応

妻の反発を買うだけです。自身が離婚事由に該当しないと分かれば、あとはそのことを妻に伝える必要はありません。

個別にお伝えします。

言葉だけの説得は見透かされる

妻に対して、「僕の悪いところはすべて直すから離婚を考え直してほしい」と説得しようとしてはいけません。「うわべだけで言っているでしょ？ その場しのぎでしょ？」と思うからです。

妻に離婚を思いとどまらせるには、妻の夫に対する不満を聞きだし、本気で改善しようとする姿を見てもらうことです。

本気で改善しようとする姿を見てもらう方法の詳細は後ほどお伝えします。

別居は離婚につながる

妻が夫に離婚を求めたとき、次のような押し問答になることが多くあります。

妻はこのままでは埒が明かないと思い、「お互い冷静になるために、一度距離を置こう」と別居の提案をすることが多いです。

夫は、「一度離れてみれば、妻は離婚を考え直してくれるかも？」と思い、別居を受け入れがちですが間違っています。別居をしてしまえば、結果的に離婚する可能性が極めて高くなるからです

別居した夫婦の多くはそのまま離婚に至っています。実際、別居後1年以内に80％以上もの夫婦が離婚しています。（厚生労働省：別居期間別にみた離婚より）妻と離婚したくないなら、別居は基本的に止めましょう。

※ 妻が家を出て行った場合の対処法の詳細は「【妻が出て行ったが離婚したくない！】関係修復させるための7つのポイント」で取り上げています。

円満調停のタイミングを誤らない

調停と聞けば、離婚を進めるための制度だと思われがちですが、離婚回避や夫婦関係修復を目的とした「円満調停」もあります。

円満調停とは

円満調停の場では、調停委員という中立的第三者を挟んで、夫婦関係の修復に向けて話し合います。
 
調停委員を挟むことで、双方が感情的にならずに、離婚を回避するために何が必要なのかを話し合える環境ができます。その結果、離婚を回避できた事例はあります。

円満調停の制度を知った方のなかには、今すぐに円満調停を利用したいと考えたかもしれません。しかし自分で夫婦関係の修復を試みることなく、いきなり円満調停の申し立てを行ってはいけません。

円満調停を申し立てたけど、調停不成立となった場合は「修復不可能」という雰囲気がかなり強まるからです。まずは夫婦でとことん話し合いをすることです。

ろくに話合いをせずにいきなり円満調停を起こしても、妻の反発を買うだけで逆効果となるでしょう。

弁護士に依頼するのは逆効果

妻と離婚したくないと思うなら、弁護士は不要です。基本的に弁護士は、夫婦関係の修復については専門外だからです。

弁護士を通して離婚を拒否しても、妻の印象を悪くさせるだけでマイナスとなる可能性は高いです。

※ 離婚回避の適切な相談先の詳細は「妻と離婚したくないときの相談は誰に？【相談OKな人物とダメな人物】」で取り上げています。

妻と別れたくないなら必ずやるべきこと

妻に離婚したい気持ちを変えさせたり、夫婦関係を修復させることは、法律の力では何もできません。

夫が妻と真摯に向き合って話し合いなどを重ねて、妻の考えを変える他ありません。そのためには夫自身が変わることが絶対に必要です。

妻は何も離婚を考えてすぐに求めている訳ではありません。大方は、長いあいだ悩みぬいて言っているのです。

妻の辛い心情を理解する前に、修復へ向け動き始めても妻の心には響きません。

謝罪だけでは妻には届かない

「私は妻の苦しみがわかったし、しっかりと謝罪した」と言う方がいますが、実際に心から謝罪しているかは懐疑的です。

その妻の頑なな態度を何とかしようとして、「君は離婚を求めているが、僕たちのケースでは裁判所は離婚を認めない」などと法律論を振りかざしても、嫌悪感をさらに強く持たれるので、妻の心はますます遠く離れてしまうことに…。

離婚回避や夫婦修復の出発点として、妻が夫の何に対して悩み苦しんでいるのかをしっかり把握することから始めましょう。把握ができたのなら全力で改善するのは言うまでもありません

明らかに夫が悪い場合は誓約書を

妻の離婚を求めている理由が、夫の浮気や暴力、借金など、明らかに夫に責任がある場合についてです。この場合、もう二度と同じ過ちをしないことを妻に信じてもらえなければ、離婚を撤回してくれる可能性はないでしょう。

口約束では妻は到底信じないので、なるべくこちらの本気度を示すことが必要です。

本気度を示す方法として適切なのは「誓約書」を妻に差し出すことです。

約束を破ったときの罰則等も入れることで、妻は夫の覚悟を知り離婚を撤回する場合もあります。

誓約書に記載すべき内容

誓約書には、次の内容を載せるのが一般的です。

事実関係とは、浮気や暴力などトラブルの原因となった事実関係を載せます。禁止する行為とは、暴力の場合だと「今後一切暴力を振るいません」などになります。

約束を破った場合の罰則は必ず入れるべきです。妻に夫が誓う約束を信じてもらうためには必須です。「再度不貞行為した場合は慰謝料○○○万円支払う」などと記載します。

まとめ

妻と別れたくない夫が、離婚回避や夫婦関係を修復するために何をすべきかを取り上げました。

法律で離婚を阻止することは可能ですが、妻の離婚意思を変えたり、夫婦関係を修復させることはできません。離婚危機を乗り超えるためには、まずは妻の悩みや苦しみをしっかり把握することです。

妻の苦しみがわかれば、自分がどう変わればいいかがわかり、夫婦間の修復に向けての行動が起こせるようになります。

離婚請求されることに夫に明らかに原因がある場合は、誓約書を妻に差し出し、二度と同じ過ちをしないことを固く違いましょう。